DiSC®を知って可能になったこと

研修やワークショップに2002年から導入しているDiSC®について書いてみようと思います。
ちょっと長いストーリーになりますが、お付き合い頂けますと幸いです。

まず、DiSC®というのは、
人の欲求を4つに分類し、人間の感情と行動の違いを「行動スタイル(D、i、S、C)」として表しているものです。

参考:DiSCとは https://www.hrd-inc.co.jp/whatsdisc/

1.特性の違いを知り、コミュニケーションが取りやすくなりました

子供の頃から口ベタで人付き合いが苦手。全く人と話せないわけではなく、表面的にはにこにこを微笑んで合わせられるのですが、実はかなり労力が必要。できれば「家に引きこもっていたい派」でした。

独立する前の会社で、(今振り返れば)行動特性の違う人達と仕事をし、ぶつかることが多くなりました。

楽しげに仕事をしていたら・・・なぜかいきなり社長に怒鳴られました。
上位者がいるミーティングで強い発言をすることを求められましたが、できませんでした。
今後のビジョンを話すミーティングで、明るい夢を話したら、社長に即時却下されました。

そうしているうちに、社長の逆鱗に触れないように、ビクビクしながら仕事をするように・・・。そして、よろしくない状況で退職。

「自分がダメな人間だから・・・」と自己否定に陥り人生諦めかけていた時に、エニアグラムに触れ「もしかしてこれは人の”違い”が要因なのでは?」と思い始めました。
それまでは、「100%私が悪いんだ」と信じていたのですが、そうではなく、お互いが”違い”を理解できていないことが原因だったのです。

その後、本格的にエニアグラム等を学び始め、人にはそれぞれ特性や強みの違いがあることをより深く知りました。
同時にコーチングも学び、人間についての知識も増やしていきました。

2.DiSC®を知って、それまでの難しさが大いに納得できました

コーチ仲間から「ビジネス場面に適したいいものがあるよ」とすすめて貰ったのがDiSC®Classicというツールでした。これが2002年のこと。
現在のようなWebではなく、紙の試験用紙で受検します。コインで回答を削ります。

ただし、DiSC理論自体は現在と変わりがありません。
D「主導」
「感化」
「安定」
「慎重」
という4スタイルの構造が非常にわかりやすいと感じました。
そして、自分自身のコミュニケーションの改善だけでなく、研修やコーチングに大変役立つと考え、ファシリテーターになるためのトレーニングを受けました。

まず、トレーニングを担当して下さったSさんが、C「慎重」スタイルそのものなことに驚きました。
表情は動かないし、パワーポイントは隅から隅まで読み上げる。
日頃の行動パターンも驚くことばかり!

Sさんの行動を見ながら、以前仕事をしたことのあるAさんのことを思い出していました。
私自身の価値観でその人のことを見ていたため、「何を考えているかわからない人」「偏屈」「何事にも細かすぎ」「難しい人」とよい印象は持っていなかったし、関係性をつくろうとも思いませんでした。できるだけ接点を持たないようにしていました。仕事はやりにくかった。

AさんはC「慎重」スタイルだったのでした!
ちなみに私はS「安定」スタイル
物事の感じ方も人や物事への対処の仕方も違います。
DiSCを知っていたら、もっと違う関わりをしたのに・・・・・。

そして、前述の社長は、恐らくD「主導」スタイル
そうであれば、ワイワイ楽しくすることは御法度だし、現実的でない夢物語を語られたら癇にさわるのは当然です。
そして、ビクビクしたのはかえって関係性を悪化させていました。

このことを知っていたら・・・・・と、心の底から思いました。

3.DiSC®を大いに活用しています

日々の生活で活用し始めてから、今ではバックグラウンドに常にDiSC®が起動している状況です。
特に仕事場面で大いに活用しています。

(1)研修やファシリテーションにて

研修やワークショップの参加者の方の言動で、どのスタイルかは仮説を立てることができます。
そこで、できる限り全員に抵抗なく受け入れられるように情報を届けたり、やりとりをするように心がけています。
また、質問や意見(反論)などの発言に対しては、その方のスタイル見ながら、理解して頂けるような対応を心がけています。
DiSCを知る前は、異なるスタイルの方からの反応に戸惑ったり心乱されることもありましたが、今はほとんどありません。

(2)コーチングにおいて

コーチングでもDiSC®をフル活用しています。
クライアントさんがどのスタイルかは大体わかるので、その方が最も受け入れやすいコーチングプランや言葉、関わりをしています。クライアントさん毎に対応は違います。

個人契約のクライアントさんは、関わりやすい行動スタイルの方が多くなります(クライアントさんがフィーリングの合うコーチを選んで下さるため)。

ただし、企業契約のクライアントさんはそうはいきません。様々な行動スタイルの方をコーチングすることになります。

瞬時に行動スタイルのあたりをつけて、
「笑顔で関わるか否か」
「世間話を入れるか入れないか」
「認知(承認)の言葉を多く入れるか入れないか」
「認知(承認)はどの言葉でするか」
「コーチングの種明かしをどの程度するか」
「ゴール設定は大きくするか、小さくするか」
「質問の言葉の選び方をどうするか」
など、その方のコーチングが最も効果的に進むようにと対応を変化させていきます。

万一滑ったら、また対応を変えていきます。
今のところ、これが非常にうまく行っています。もしDiSC®を知らなかったら、様々なクライアントさんに対処できませんでしたし、大きなストレスもあったことと思います。

(3)キャリアデザインにおいて

効果的な目標設定も行動スタイルによって違いがあります。

ドーンと壮大な目標があるとエネルギーが出るスタイルもあれば(D「主導」スタイル)、
夢みたいなワクワクする未来像だとやる気が出るスタイルもあれば(i「感化」スタイル)、
大目標ではなく小さな目標で到達の仕方が明確なものだと前進できるスタイルもあれば(S「安定」スタイル)、
目標の意義や根拠が明確であればやる気になるスタイルもあります(C「慎重」スタイル)。

私はS「安定」スタイルなので、小さめ目標設定が得意です。
壮大な目標を目の前にすると不安感が先に立ちます。

これに気づいてからは、周囲のビジョンに振り回されなくなり、自分に合わせたキャリアデザインや事業プランを構築することができるようになりました。

また、コーチングときも、クライアントさんのスタイルに合わせて、目標設定をサポートしています。

(4)その他

お客様との交渉や打ち合わせも、2.と同様に対応を意識しますし、
プロジェクトでの仕事でも、メンバーの行動スタイルを意識して動いています。

結局、自分のことをよく理解し他者との違いを理解できると、対人対応のストレスは大幅に軽減されるということです。

4.最後に

人間関係はDiSC®だけで全てうまくいくわけではありません。
もちろん人はDiSC®だけで測れるほど単純なものでもありません。

しかし、これを知ることで、対応がうまくいったり、お互いのストレスが軽減するなら最高!と考えています。

相手のことを理解できないと

「なぜ○○さんは・・・・という対応をするんだろう?」
「どうして○○さんは、こんな仕事の進め方なの?」
「なぜ○○さんは、感情を表にださないの?」
「なぜ?」「どうして?」・・・・が積み重なると、相手に対し「嫌い」「ダメな人」「嫌なやつ」という感情が芽生えてくるのは当然です。

そして、お互い(2人以上のチームも含む)の関係性に毒素(※「非難」「侮辱」「防御」「逃避」)が発生してダメになっていきます。
                           ※夫婦関係を研究しているジョン・ゴットマン博士が提唱しているもの

先日、ある管理職の方が
「もしDiSC®を知らなかったら、部下を嫌いになりダメにしてしまうところだった・・・」と仰っていました。
明るく前向きで活動的な上司の方からすると、緻密で大人しいコツコツ型の部下のことは全く理解できず、「覇気の無い部下」と思っていたようでした。
「DiSC®を知って、部下をどのように育成したらよいのかヒントを得られた」と。

DiSC®によって、解決できる人間関係の課題はかなり多いと考えています。

私自身が対人関係で苦労し、少しずつ前に進んでいる経験から、多くの方にもDiSC®を活用して頂きたいと考え、研修等でお伝えしています。

◆10/14(金)9:45-16:45 @池袋
対人関係力を高める「DiSC×Points of You」
https://www.reservestock.jp/event/show/364453

◆DiSC研修のお問い合わせ→ https://www.kei-business.com/contact/

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