ミッドライフクライシスは「転機」

「このままでいいのだろうか」
そんな思いがふとよぎることはありませんか。
キャリアを積み重ね、一定の成果も出してきた。けれどどこか満たされない。多くの人はこれを「ミッドライフクライシス」と捉えます。

ミッドライフクライシスとは、
主に40代から60代にかけて、人生の転換期で多くの方が経験する心理的な不安や動揺のこと。仕事や家庭、身体の変化(更年期)が重なり、虚無感や若さへの執着、抑うつが生じるとされています。

コーチングのクライアントさんにも、まさにこの課題に直面されている様子がみられるケースは少なくありません。

私自身も、40代に入った頃から、独立してどのように事業を展開していくか、自分のスキルアップをどうするか?と、大忙しでありながら、ふとした瞬間に「老い」や「人生の終わり」が頭を過り、どうしようもない心理的葛藤の渦に巻き込まれそうになったものでした。当時はそれを的確に表す言葉はなかったのですが、今思えば「ミッドライフクライシス」でした。

「ミッドライフクライシス=危機」と考えてしまいがちですが、この現象を別の角度から捉えることもできます。心理学者 ナンシー・シュロスバーグ は、人生には誰にでも「転機(トランジション)」が訪れると述べています。

転機とは、単なる出来事ではなく、
「それまでの前提や役割が揺らぐプロセス」
つまりミッドライフの違和感は、問題ではなく「移行期」ではないでしょうか。

では、この転機をどう乗り越えるのか。
シュロスバーグは「4つのS」という枠組みを提示しています。

■Situation(状況)
 何が起きているのかを整理する
■Self(自己)
 自分の強みや価値観を見つめる
■Support(支援)
 誰が支えてくれるのかを明確にする
■Strategies(戦略)
 どのように対処するかを考える

この4つを整えることで、人は転機を「危機」ではなく「成長の機会」に変えることができます。

ここで支援の役割を果たすのがコーチング。

コーチングは、まさにこの4つのSを整理するプロセスそのものです。
・今、自分に何が起きているのか(Situation)
・自分は何を大切にしたいのか(Self)
・誰とつながり、支え合うのか(Support)
・これからどう行動するのか(Strategies)

対話を通じてこれらを言語化することで、「自分はこれを大切にしたかったのか」と腹落ちする瞬間が生まれます。そして、漠然とした不安は「選択可能なテーマ」へと変わります。特に、管理職の方など仕事に一生懸命な方ほど、役割や責任に縛られ、自分自身の転機に気づきにくいものです。だからこそ立ち止まり、自分のキャリアを主体的に捉え直すことが重要になってくるのです。

ミッドライフクライシスは、「人生の後半戦に向けて、自分の軸を再構築する転機」です。違和感は、間違いなく次のステージへの入り口です。私も40代に感じたモヤモヤがあったからこそ、その後への活力を引き出すことができたと感じています。

最後に、簡単なチェックです。
□ 最近「このままでいいのか」と感じることが増えた
□ 役割には応えているが納得感が薄い
□ 今後の方向性を考え始めている

もし当てはまるなら、あなたは今「転機」の中にいます。
その転機は、受け身で乗り越えるものではなく、「自分の人生のハンドルを握り直すタイミング」でもあります。つまり、自ら意味づけし、エネルギーとして活かしていくものです。

より自由に、より自分らしく。ここからのキャリアは、“自分で選ぶ人生”へと変えていくことができるのです。

 

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